現在日本で不妊治療を受けているカップルは6組に1組の割合となっています。
卵子の老化はもちろん不妊の大きな原因になりますが、男性不妊も不妊原因の半分をしめるといわれています。

質の良い卵子と精子がきちんと出会って、胚が育ち、着床できないと妊娠はできません

しっかりお話をお聞きし、解決しなければならない問題、目標、今のお体の状態、病院での検査結果等を考慮し、治療を組み立てていきます。

体調を整えつつゆっくり妊娠を考えたい方、できるだけ早期に妊娠へ向かいたい方、人工授精、体外受精を何度しても妊娠に至らない方、二人目のお子さんがなかなか授からない方、妊娠の前に生理を整えておきたい方、流産をくりかえしてしまう、などお一人お一人環境や抱えられている問題、考え方も違います。

ともに同じゴールを目指して頑張っていきたいと思います。
治療頻度は、5日毎(3回/2週間)もしくは1回/1週間、となります。治療内容により必要な頻度を説明させていただきます。

当院で行う治療

  • 卵質改善
  • 着床障害の抑制
  • ホルモン分泌の調整 など

 卵子の元になる卵母細胞は、女児がまだ母体内にいる胎生5ヶ月頃に最も多く、約700万個作られますが、その後急速にその数が減少し、出生時には、約200万個となり、排卵が起こり始める思春期頃には、30万個まで減少します。

そのうち、排卵する卵子の数は400~500個(1%以下)です。つまり、排卵する卵子の年齢は実年齢とほぼ同じであることになります。このように卵母細胞の数は増加することはなく、37歳頃を過ぎると急速に減少し、卵母細胞の数が約1,000個以下になると閉経します。

  • 鍼灸治療により良好な卵子が出来るかは今後の大きな課題ですが、卵巣の周囲の血流量を増やすことで豊富な栄養を持つ卵子を作っていくことは可能だと考えております。それは様々な論文や先駆的に不妊鍼灸をされてきた先生方、治療に来られた方々のデータを見ると明らかです。鍼灸治療に来院されて約3~4か月後に効果が見られる方が多くおられます。排卵される卵子は約120日前に準備を始めて少しずつ成長していきますが、この日にちと鍼灸の効果が現れる時期が重なります。卵子が成長を始める時期から、卵巣への血流を良くしてたくさん栄養を与えてやることで、胚盤胞まで成長ししっかり着床するまでの長旅を乗り越えてくれる卵子を作っていきます。
  • 鍼灸による治療では、エビデンスのある治療法を元に治療を組み立てます。また、当院ではスーパーライザーによる自律神経調節、骨盤内血流改善も併用して治療していきます。ホルモンの分泌、免疫、血流に自律神経はとても関係します。
  • また皮膚の下7~8㎝にある卵巣の血流を正確に改善させるためスーパーライザーによる近赤外線照射を最も効果的であると位置へ照射していきます。

不妊鍼灸に関するよくある質問

不妊治療についての質問

JISRAM(Q&A) 詳しくはこちらをご覧下さい。(http://jisram.com/faq/

生理周期のいつから鍼灸治療を始めたらよいですか?

どの時期から始められてかまいません。生理中ですと生理痛が楽になります。低温期ですと卵質を向上させるため、高温期ですと子宮内膜に対しての治療を致します。

妊娠判定後、鍼の治療は続けてもよいですか?

妊娠12週がひとつ目安にしています。つわり、腹部の感、疲労感、腰痛 などが鍼灸治療で楽になりますので、出産直前まで通院を続けられる方もいらっしゃいます。

更年期障害について

卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態を閉経と言います。月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。

日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。

更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことです、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。

更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。

①血管の拡張と放熱に関係する症状

ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など

②その他のさまざまな身体症状

めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど

③精神症状

気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など

更年期障害の特徴の一つは症状が多彩なことですが、これらが他の病気による症状ではないことを確認する必要があります。

更年期障害は身体的因子・心理的因子・社会的因子が複雑に関与して発症しますので、まず十分な問診を行うことが必要です。その上で生活習慣の改善や心理療法を試み、それでも改善しない症状に対して薬物療法を行います。


更年期障害の薬物療法は大きく3つに分けられます。

①ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う治療法(ホルモン補充療法:HRT)が行われます。HRTは、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効ですが、その他の症状にも有効であることがわかっています。

②漢方薬

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。多彩な症状を訴える更年期女性に対しては、「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸を中心に、さまざまな処方が用いられます。

③向精神薬

気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい症状である場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬も用いられます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの新規抗うつ薬は副作用も少なく、またほてり・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状にも有効であることが知られています。

鍼灸治療が出来ること

鍼灸を行うことでホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れを整えることで改善へと繋がります。

更年期障害は症状も異なってきますため体質やお悩みなどお一人お一人にあった治療を行えることも鍼灸の強みだと感じています。

これまではストレスフルな状態による交感神経の過緊張症が目立っておりましたが、昨今はデスクワークやテレワークなどの頭脳活動が増える一方で重労働や歩行の量が減り身体運動の量が落ちる事で副交感神経の亢進による症状も多く見受けられるようになりました。

このような状態に対して、鍼灸には下記の効果が期待出来ます。

・自律神経や内臓の働きを整える

鍼灸やマッサージの刺激は過緊張状態に陥った自律神経の働きを和らげることが出来ます。

・皮膚刺激を通じて脳(視床下部)に影響を与えホルモン分泌のバランスを整えることにも関与します。

・血圧を整える

血流を促進し疲労感の早期回復や患部(局所)への酸素や栄養素の供給が向上します。

・筋緊張の解消やリラクゼーション効果

「気持ちいい」という刺激は脳内のβエンドルフィンと言った神経ペプチド「脳内麻薬物質」の分泌を活性化させます。

その結果、自律神経の働きを正常化することに繋がります。

最後に

女性の平均寿命が90歳に近づきつつあるわが国において、更年期は人生の折り返し地点です。この時期に起きる様々な問題を上手に乗り越えて、第2の人生を明るく幸せに過ごしましょう!